活動報告

議会

所信表明

本日、令和3年第6回市議会定例会が開催されるに当たり、提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、市政運営に関する所信の一端を述べさせていただきます。
昨年よりまん延する新型コロナウイルス感染症につきましては、全国において数多くの方々が感染し、また亡くなられた方も出たところでありますが、本市においても感染者が出るとともに、多くの方々が自粛生活を余儀なくされました。現在も社会生活維持のために感染症対策にご協力をいただいている市民の皆様に対し、深く感謝いたしますとともに、これまでワクチン接種等において日々、献身的に業務に携わってくださった医療従事者の皆様に対し、厚くお礼を申し上げます。さて、議員各位におかれましては、先の観音寺市議会議員選挙において、厳しい選挙戦を勝ち抜かれてのご当選、誠におめでとうございます。あらためまして、心よりお慶び申し上げます。
本市は、平成17年10月11日に旧観音寺市、大野原町及び豊浜町が合併して新「観音寺市」が誕生し、白川晴司市長のリーダーシップの下、その一体化が図られてまいりました。それぞれに歴史があり、また事情の異なる1市 2町を一つにまとめ、新市としての一体感を醸成していくことは至難の業であったと思いますが、常に市民に寄り添い、真摯に耳を傾け、そしてそのお一人お一人の声を市政に反映されるなかで、今や観音寺市は香川県の「西の玄関」として重要な役割を担うまでになりました観音寺市の礎を築かれた白川前市長に対しまして、その労を労うとともに、長きにわたるご尽力に対し、感謝と敬意を申し上げる次第であります。
次に、国政におきましては先の衆議院議員総選挙で自由民主党、公明党による与党勢力が過半数を超える議席を確保し、引き続き政権を担われることとなりました。総選挙を通じて語られた政権公約は数多くありましたが、地方における課題は何といっても新型コロナウイルス感染症への対応であります。すべての希望者への迅速なワクチン接種、感染された方への適切な治療・療養体制の確保、また飲食業界をはじめとする、あらゆる業種への持続化給付金等の十分な経済支援など、地方の不安を解消するとともに疲弊した経済や地域社会への支援をすることにより、日も早い安心安全な日常の回復が急務であります。
また、アフターコロナ、ウィズコロナに向けた取組の中からその重要性があらためて認識されたデジタル・トランスフォーメーションの推進も欠かすことができません。政権公約で示された「デジタル田園都市国家構想」にもあるとおり、持続可能な地方の維持・発展のためにはマイナンバーカードの普及促進や自治体情報システムの標準化・共通化、またデジタル人材の育成・確保などを通して、デジタルの活用を積極的に進めていかなければなりません。
さらには「少子・高齢化」も地方の未来に直結する重要な課題であります。全国べースで「1.34」、香川県でも「1.51」という低い合計特殊出生率からも分かるとおり、わが国の人口は今後も一貫して減少を続けることが予想されることから、今と同じ水準の社会生活を維持していくためには、あらゆる施策に取り組み、迅速かつ大胆な対策を講じなければなりません。
私は、このような厳しい環境下にあり、かつ山積する課題によって将来を見通せない地方の現状を踏まえ、ふるさと・観音寺市の未来を確かなものとするため、市長選挙に立候補させていただきました。国会議員秘書として、また県議会議員として私を突き動かしてきた原動力は常に「ふるさと・観音寺の発展」でありました。生まれ育ったこのまちを少しでも良くしたい、安心して住み続けることができるまちをこの手で作り上げたい、その一心で活動してきたと自負いたしております。市長として観音寺市のかじ取りを任された今、私はあらためて原点に立ち戻り、市民の皆様のご付託に応えるべく、全身全霊をもってこの重責を果たす所存であります。
私の政治理念は「ゆとりと活力の田園都市・観音寺」であります。住んでいる方には幸せを感じていただくことができ、また、市外からお見えになるお客様には来て良かった、また来たいと思っていただけるような、「やさしさと思いやりがあふれる街づくり」を目指したいと考えております。
この明確なまちづくりに対する方針を実現するために、私は5つの政策目標を掲げました。

まず第1は「市内の産業が頑張れるまち」づくりであります。本市を代表する基幹産業は農業や水産業でありますが、私はこれらの第1次産業を「儲かる産業」として育てあげるとともに、梨やセルリー、伊吹いりこなどの観音寺ブランド認証品をはじめとする地元特産品についてさらなるプランド化を図ることで認知度を高め、海外や全国での販路拡大に向け、その開拓を積極的に推進してまいります。また、民間の資金や経営能力を活用したPFIを進めるとともに、市内で利用できる地域通貨の発行も含め、地元中小企業を中心とした産業のさらなる活性化に取り組んでまいります。
さらに、観音寺港埋立地や競輪場跡地の造成を進めて優良企業の誘致を積極的に推進し、雇用の創出に努めるとともに将来的な固定資産税等税収の増加に繋げ、自主財源の確保を図ります。また、国会議員秘書や大臣秘書官、県議会議員在職時に培った国や県、民間企業とのパイプを存分に活かし、緊密な連携を行うとともに各種制度の積極的な活用によりさらなる財源の安定に努めてまいります。

第2は「世界に開かれた賑わいと観光のまち」づくりであります。観音寺市には、先人より伝わるちょうさ祭りや名勝・琴弾公園、国史跡・豊稔池など、全国に誇れる文化や文化財があります。今後は、このような貴重な財産を活用し、海外や県外からのお客様を迎えるべく情報発信に努めるとともに、大野原インターチェンジや令和7年度末に完成予定の観音寺スマートインターチェンジを活用したアクセスの利便性を活かして、中四国最大級の「道の駅」の整備を考えるなど、人・モノが集積するあらたな賑わいの場の創出を図ってまいります。
観音寺駅周辺の中心市街地の活性化につきましては、本エリアが中心市街地として果たすべき役割としての観点から、駅舎の高架化を含め、面的な整備を行ってまいりたいと考えております。また、空き家や空き店舗を再利用してのべンチャー企業やスタートアップを支援したり、文化・芸術の発信拠点であるハイスタッフホールを積極的に活用して、人流を促進することで賑わいを確保してまいります。
現在、姉妹都市提携をしている米国アップルトン市、滋賀県草津市及び北海道真狩村とのさらなる交流の充実を図るとともに、その他の国内外の地方都市についても新型コロナウイルス感染症の感染状況を勘案しつつ、姉妹都市提携の検討を行うことによって諸外国との官民を合わせた交流を促進し、また中高生の交換留学制度に繋げることによって、本市の魅力を世界に発信してまいりたいと考えております。
第3は「高齢者・障がい者に優しいまちづくりであります。私は、高齢者であっても、障がいのある方であっても住みやすく、安心して日常生活を送ることができるまちづくりに努めてまいります。具体的には、移動が困難な方であっても安心して買い物等が可能となるよう、のりあいバスの運行経路や時刻表をさらに工夫していくとともに、新たな移動支援のあり方について検討し、持続可能な日常生活を確保してまいります。また、各種行政手続きの簡素化を推進するとともに。ワンストップサービスを進めて利便性の向上を図ります。さらに、デジタル社会の到来によって情報化の流れに取り残される方が一人も生じることがないよう、市政情報の発信や各種手続の方法については、丁寧な説明を心掛けることで安心かつ利便性の高い行政サービスの提供に努めてまいります。
第4は「子育てと学びから始めるまち」づくりであります。まず、私も県議会議員時代から深く関わっておりました旧三豊工業高等学校跡地について、医療系教育機関の誘致に至る運びとなりました。まちの活性化の大きな原動力となり得る教育機関の立地は本市にとって大変有益であり、この度の誘致の実現によって再び観音寺市に多くの若者が集うこととなります。そして、賑わいと活性化への大きな起爆剤となるだけでなく、三豊総合病院企業団と連携を図ることにより、の地域が本市のみならず四国における医療・福祉・介護の一大拠点として非常に重要な役割を担うこととなります。私は、今回の誘致によって人の流れが活発になると予想される豊浜駅周辺についてもその受け皿として充実が必要であると考えており、駅舎とその周辺整備について、J R四国をはじめ、民間企業とも連携することにより、本地域の活性化を図ってまいります。
さて、持続可能な地域社会の維持・発展のためには、安心して育児、子育てができる環境の確立が不可欠であります。本市におきましては、すでに就学前の第2子以降の保育料無償化や保育士の確保による保育の充実、またファミリー・サポート・センター事業、放課後児童健全育成事業などの実施によって、子育て世代の負担の軽減に努めておりますが、今後、紙おむつの購入費助成や第1子保育料無償化を検討していく中で、さらなる子育て環境の充実を図ってまいります。また、市外から転入する若い世代の方々が、本市に住んでいただくことで十分に活躍でき、かつ、子育てを両立できると感じていただくための方策として、定住が前提の移住者を対象とする新築住宅等への助成ができないか考えております。これらの制度の導入により、移住・定住のさらなる促進と若い世代の経済的な負担軽減、及びそれに伴う可処分所得の増加という効果を期待できますので、今後財源的な裏付けや需要について詳細に検討してまいりたいと考えております。
第5は「生き生き元気で健康なまち」づくりであります。地域を元気にするための一番の方策は、何よりこのまちに住む人々が活気にあふれ、そして誰もが生きがいをもって活躍できる生活基盤を創り上げることであります。そのために、公民館やコミュニテイセンター、市立体育館や運動公園を活用しての生涯学習講座やいきいきサロン、健康づくりなど、地域でのあらゆる活動を通して、すべての市民の皆様が自由に学び、成長し、活躍できる社会を構築してまいります。また、健康寿命をできる限り長く保っための試みとして、例えばサッカー場やパークゴルフ場、市内を気軽にツーリングできるエコ・サイクリングロードの整備を検討し、市民の健康増進を促進するとともに、これらの施設を観光資源としても活用して集客にも繋げることにより、賑わいの創出に努めてまいります。
また、これからはまさに女性が活躍する時代であります。女性の誰もが自分らしく、生き生きと充実した人生を送り、積極的に参画・活躍できる社会こそが望まれる社会のあり方であると考えております。私はそのような社会を実現するため、まずは女性の安心安全や活躍のために何が必要なのか真摯に耳を傾け、考え、そして女性の視点に立った政策を市政に反映させてまいりたいと考えております。そのため、庁内をはじめとする関係各所での女性管理職の割合をさらに引き上げるよう努めるとともに審議会等での女性の積極的な登用等を図るなど、女性が自由に発言し、社会に関わる機会を増やしてまいります。
以上、市長の職に就かせていただくにあたっての所信を表明させていただきました。今後の行政運営については、白川前市長が取り組まれた事業の完遂に向けて全力で取り組むとともに、時代に合わない、また市民ニーズに即していない事業については速やかに見直し、真に必要なものについて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、来たるべき南海トラフ地震に備えて避難所や自主防災組織のあり方をあらためて見直し、かっ最新のデジタル技術を駆使しての情報発信を取り入れるなど、市民の皆様の生命と財産を守るべく、あらゆる局面を想定して万全の防災・減災対策を講じてまいります。
深刻化する人口減少や少子・超高齢社会のなかにあって本市の財政事情は大変厳しく、税収は減少する見込みである一方で社会保障費はますます増加すると予想されるなど、今後の行財政改革は待ったなしであります。効率的かつ持続可能な行財政運営を行うためには、ひとえに市民の皆様が何を望まれるのか、またどういったニーズがあるのかを把握し、的確に吸い上げて検証し、その必要性や優先度を明確にしたうえで政策に繋げていくことが重要であります。
私はこのような厳しい環境下にあるからこそ、あえて市長として勇気をもって臨み、「旧三豊工業高等学校跡地の医療系教育機関誘致のための条件整備」や「観音寺駅の整備」、また「中四国最大級の「道の駅」の整備」や「民間活力と連携しての国外・県外との交流・賑わいづくり」といったプロジェクトを実行してまいりたいと思っております。そのためにはまず準備室を立ち上げ、どういったことができるのかを検証してまいります。そして、その中で可能性を見出せるものについて果敢に挑戦していくことで公約の実現に向けて一歩一歩、歩みを進めてまいります。
市民の皆様のご期待に応えるため、私は常に市民の皆様との対話を重視し、その声に真摯に耳を傾けることにより誠実かつ着実に政策を実行してまいります。また、自身の強みである強靭な体力と信念、モットーとする元気や明るさ、そして何より「ふるさと・かんおんじ」に対する熱い想いを拠り所として、必ずや「市民の皆様が夢を持ち、誇りや希望を抱き続けられるまち」、「賑わいや活気であふれるまち、かんおんじ」を創り上げることをお約束申し上げます。
最後に、新型コロナウイルス感染症の収束が見えないなかではありますが、市民の皆様、また議員各位におかれましては、より一層のご健康ご活躍を祈念申し上げるとともに、今後の市政運営においてご理解ご協力を賜りますようお願いし、所信の表明とさせていただきます。ありがとうございました。

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